

7月23日(水)、30日(水)の2日間に渡り、ケアピース教育委員会主催、リハビリ専門スタッフによる介護技術研修『高齢者の正しい座り方のポイント』を行いました。
【高齢者の正しい座り方のポイント(椅子や車椅子の場合)】
①骨盤をしっかり立てる
骨盤が後ろに倒れすぎる(後傾)と背中が丸まり、呼吸・嚥下・消化にも悪影響。
お尻を椅子の奥まで入れて座るようにする。
②腰・背中・首が、まっすぐなるように
軽く顎を引く姿勢が理想的
背もたれに背中を軽くつけることで姿勢が安定。
③足がしっかり床についている。
足が浮いていると不安定になり、姿勢が崩れやすい。
膝・股関節の角度は90度前後が理想。
足底全体が床または足台につくように調整する。
④肩の力を抜いて、自然な位置に腕を置く。
肘掛けがある椅子の場合は、肘を自然に置ける高さか確認。
肘が浮くと肩が緊張し、疲労や肩こりに繋がる。
理想的な座位姿勢のチェックポイント(横から見た時)
部位 | 理想の角度・位置 |
頭 | 軽く顎を引いて正面を向く |
背中・腰 | 背筋が緩やかに伸びている |
骨盤 | 座面に対して垂直に立っている |
股関節 | 約90度 |
膝関節 | 約90度 |
足関節 | 約90度で、足底が床についている |
【正しい座位のための工夫】
①椅子の高さ調整
座面の高さ=膝裏から床までの長さが目安
②クッション活用
座面が硬い場合は、圧分散のためにクッションを使う。
③滑り止めマットの使用
姿勢がずれていく方には、滑り止めシートを座面に敷く
④座位保持道具(側方パット、腰当など)
姿勢が安定しない場合に使用
こんな姿勢には注意‼
NG姿勢例 | 問題点 |
骨盤が後ろに倒れている | 背中が丸まり、誤嚥・褥瘡のリスク増加 |
足が浮いている | 不安定で、浮腫や姿勢の崩れの原因に |
顎が上がっている | 嚥下障害や首への負担のリスク高まる |
体が左右に傾いている | 筋肉や関節に負担がかかり、疲労や痛み招く |
研修終了後、「忘れかけていた初心に戻れました」「様々な対応方法があることを学べました」等の意見がありました。研修を行うことで、日頃の業務を見つめ直すきっかけになり、スキルアップへ繋がることと思います。